2021年11月14日日曜日

ふじみのハロウィン、親子、保育者

ふじみだより号外より
実習生への助言(その2)

ふじみのハロウィン、親子、保育者

園長 鮎澤伊江

十数年前、初めて本格的なハロウィンパレードに出会ったのが横浜の元町。街全体が一つになって、すべての人が仮装をして楽しむ姿を見たとき、幼稚園でも同じようなことができると直感しました。

早速、国内外のハロウィン事情などを調査研究しました。その結果、保育の一環としてのハロウィン=ふじみのハロウィンを思いつき、まずは親子が楽しむ、そして先生も楽しむ、そんなハロウィンが、2008年10月、ここ結城市で、富士見幼稚園で誕生し、今年で13周年をむかえました。

ハロウィンイベント導入をきっかけに、親が作ったり準備したりした衣装を親子で仮装し、親子でその楽しさを共有するという時間と空間が新たに生まれ、続いています。このように、親と子が喜んで取り組めるような活動を探し出して実践し、改善しながら継続することも、保育者の仕事の一つなのです。

「子は親を選べない」と言われますが、そういうことも頭の片隅において、当園でのさまざまな体験をとおして、少しでも親子のきずなが深まってほしいと願っています。

いろいろな遊びのなかで、五感を存分に使って、数や大きさ、色、味などを直感的に学んでいく子供たち。日常の外出先や旅行先など、どこに足を運んでも常にアンテナを張り巡らせて、保育に応用できそうなもの、何か良さそうなものがあれば積極的に現場に取り入れていく、そのことを判断して決定するのが園長の役割であり、これからの幼児教育に資することでもあると思います。

園長の役割とは?

ふじみだより号外より
実習生への助言(その1)

園長の役割とは?
保育者、園児、保護者の生活を見守りながら、将来につなげる人づくり

園長 鮎澤伊江

10月上旬、みなさんに手伝ってもらったスポーツフェスティバルは、私自身の、私立・公立幼稚園、私立保育所などでの体験、それらをふくむ幼児教育60年の経験、そして、富士見幼稚園創立45年の伝統などから編み出され、形作られた運動会です。

昨年と今年は、新型コロナのため自粛しましたが、いつもなら、園長がマイクを持って、子供たちの様子を常に実況しながらの運動会となります。

運動会は、最大で祖父母4人と父母2人、あわせて大人が6人も集まる行事です。このような機会はなかなかありません。せっかくのチャンスですから、家族のみなさんに、ふじみっ子の成長ぶりを目の前で見て感じてもらいつつ、さらにそこに園長の実況を加えることで、当園の教育内容をよりわかりやすく伝えることが可能となります。これも、園長の大切な仕事の一つだと考えています。

また、運動会をとおして、いろいろなハプニングを認め合い、子供の年齢や成長の度合いなども関係なく、みんなで一緒に楽しめる、おおらかで多様性に富んだ未来のかたちを示すことも、同じように重要なことだと思います。

当園の運動会は、日常から孤立した特別なイベントではありません。普段の生活保育の一端というか一瞬というか、入園から卒業までを見据えた教育課程全体における、欠かすことのできない大切な「保育時間」なのです。そのことを一人でも多くの保育者に理解してもらいたい、そんな思いも強く持っています。

そういう意味で、園長は、日頃から保育者、園児、保護者の生活を見守っていく「保育者園長」なのです。

日々の生活の中で、例えば、ご近所でのザクロ採りや柿採り、電車に乗ってでかける遠足など、いつなんどきでも子供たちが安心して体験できるように、保育の流れと中身を常に頭で考えています。将来につながる人づくり、これを目指して、不断の努力を続けています。

園長は、いわゆる経営者ではありません。ただの経営者になってもいけません。保育者も社員ではありませんし、ただの社員になってもいけません。子も親も自分も育てる保育者になること、そういう保育者を育てること、幼児教育の実践に取り組んで半世紀、それが幼稚園の、富士見幼稚園の「保育者園長」としての使命であると確信しています。

富士見幼稚園は、親も子も先生も、ともに学び・育つ幼稚園。

そして、親も子も先生も、ともに楽しむ幼稚園。

人形劇を演じる、つむぎ座キッズ

土曜日、客車劇場で「おしゃれなおうさま」を演じる、つむぎ座キッズ👏